珪藻土壁は危ない・・?

2020年12月22日、(株)ニトリホールディングから珪藻土製品の「お詫びと自主回収」という通達がなされましたが、その原因は製品に含まれていた「石綿」が問題視されているのであり、珪藻土そのものでは無いと思われます。
以下の記事には「塗り壁材」としての、珪藻土そのものに対する見解を私なりにまとめたもので、石綿に対する見解ではありません。

 

2005年に私が家を建てる時には「珪藻土」の壁が私の憧れの的!でした・・が、予算の関係で全て透湿クロスにしました・・・!ところが、今では「珪藻土にしなくて良かった!」(ホッ!)などと思っています。

築6年で、室内に浮遊!
先日(2017年11月22日)にも、首都圏のY様(奥様)からご相談の電話がありました。
@勧められて、壁と天井を全て珪藻土にした築6年半の家で、なんとなく粉塵が舞っている気がする・・。
A壁や天井から珪藻土が剥離・飛散しているようだ・・が、家具や布団もあることだから・・特定できなかった。
B娘さんが嫁がれて空いた部屋で、たまたまカーテンを閉め忘れていたら、日差しの中に小さな浮遊物が沢山見えた。
C家具も寝具も無いので、粉塵は「珪藻土」の可能性があるのでは・・?
Dハンドクリーナーで集塵したら、かなりの粉塵が取れたので、ハウスメーカーを呼んだが・・当然逃げ口上しか言わなかった。
Eその後、娘さんがお産で里帰りしたいとのことだが、怖くてあれこれと言い訳をして延ばしている・・。
F「どうしたら良いでしょうか・・?」との問い合わせでしたが、「天井も含めてすべて剥がして、下地からやり直すしかないですね・・」としかお答えできませんでした。
G電話をお切りした後で、塗壁材に詳しい「塗り壁材」の社長に相談してみたら・・、「珪藻土が剥離していなければ、「輝・キララ」で上塗りすれば改善できる。」とのことでしたので、事後になってしまいましたが、ご縁があれば再度ご連絡頂くか、この記事を参考にしてください!
H《ご注意!》透湿クロスや安全な塗り壁材に変えると、壁体内へ湿気が侵入する!ことになります!その湿気を屋外に排出できなければ、目に見えない壁の内側で、木材や断熱材が湿けり!、カビて、腐り、ダニの温床になります。その具体例がこちらです・・。室内の湿気を屋外へ排出できる「壁体内通気」構造が大切になりますのでご注意ください。

 

最近、「珪藻土は危ない。外国では、アメリカ、ドイツをはじめ使用を制限している。日本ではアスベストの例のように既得権益の保護・圧力のため規制が遅れて大きな災いを残す可能性がある。」
という話を聞き、ネットで検索してみると「問題無い!」?と言われているものもありますが、おおむね「危ない・・」という論調が多いです。特に白い珪藻土にするために高温で焼結する際に非結晶シリカから結晶シリカに変化して、その一部に発がん性が出てくるようです。
珪藻土を始めて壁材として使った淡路島の左官さんが、今となっては反省している・・というのもあります。
「珪藻土は、ドイツやアメリカでも法的に規制されています。」とも記載されています。
 「珪藻土そのものには固化する性質は無い!」ので、実際の左官材としての珪藻土にはバインダーと呼ばれる固化剤が使用されます。そのバインダーには”合成樹脂”が使われる場合が多いようです。「EM珪藻土」を参照してください。
 そのバインダーが経年劣化(空気中の二酸化炭素で劣化・・!)をし、固着力が弱まると結晶シリカ(「粉体状のものを多量に吸入すると、塵肺の一種である珪肺の原因となる・・」とあります!)が室内に浮遊する・・ようですよ!
 私、個人的にはその程度で発癌の原因になるとも思えませんが、「疑わしきは使用せず!」が賢明かと・・。
珪藻土のデメリット@について、Aについて、Bについてを参照してください。
さらに、セライト(珪藻土)のMSDS(製品安全データシート)の「2.危険有害性の要約」の「有害性」部を参照してみてください。(赤線は私です。念のため・・)
もっと問題なのは、実際の珪藻土の含有率を明記しているメーカーはほとんどないことで、本稿作成時点で、唯一サメシマコーポレーションさんが明記しているだけのようです。
「たたかう★アキラ」さんの「珪藻土はウソつき!」では、リフォームまで奨められています・・。
「塗り壁左官大吉」さんが、漆喰と珪藻土の問題点をうまくまとめられていると思います。

 

 珪藻土の取り扱いについて詳しく解説されているこちらのpdfを見ると・・やはりチョット怖くなります。このpdfの下の方の「珪藻土の取り扱い作業を安全に行うために」をご覧ください・・・。

 

 珪藻土の「微小な穴が湿気・臭気・VOCを吸着します・・」とよく言われますが、吸着量には当然限度があるし、科学的に分解できないので、いつかは室内側へ揮発・発散・逆戻りしてしまいます。透湿壁構造で壁体内の通気層を経由して屋外に排出しない限り、「室内の湿気・臭気・VOCの安定した長期的な無害化は無理だ!」と考えますが、皆さまはどう思われますか・・・?
逆に、私が心配するのは「珪藻土は湿気を透過する」ことです!
吸着もするでしょうが、石膏ボードに珪藻土を塗った構造では、湿気がこの壁を透過してしまいます。従って、透湿を防ぐ手段、あるいは湿気を逃がす構造でなければ、壁の中に湿気が入り、結露する可能性が極めて大きいです。壁体内で結露しても日常生活では確認することが出来ないので、長年の間には構造材が湿気って腐ってきます。気付いた時には手遅れですので、この点が非常に怖いと考えています。壁の中に入った湿気を屋外に排出する機構が絶対に必要だと考えます。

 

塗り壁材としては、最近では「サンゴ化石」を原料にした”純国産”の「輝・キララ」を見つけました。他には無い「エヴィデンス」で差別化を図り、施工研修も実施されています。私も「施工研修」にお邪魔してその性能を確認できたので、実際に我が家にも使ってみました!が評判通りで、現在私が一番自信を持ってお勧めできる「塗壁材」です、。!

話が逸れましたが、珪藻土の問題点として、まずは下記を参照してみてください。
「こいぬぐんだん」から転載

先日、知り合いの珪藻土メーカーの社長から連絡が有り、珪藻土を塗り壁材として、製品化するには、珪藻土の固化剤のことだけではなく、珪藻土を白い壁材にするには、高温で焼成する必要があり、そうすると、非結晶性シリカが結晶性シリカになり、WHO(世界保健機構)の傘下のIARC(国際ガン学会)の人に対して発がん性を示す、グループ1のアスベストと同等の建材に入り、そのような懸念のある建材を製造していくことは出来ないので、材料を替えた、左官塗り壁材に切り替えていきますと言うことを説明を受けました。
特に、基本の白い壁材は、高温で焼成しなければ白くならないので、結晶化していることが大半のようです。
壁材は、ホワイトを基本にしたものが多いのも確かです。

 

上記のような懸念があるので、ヨーロッパやアメリカでは、疑わしいは使用しないというスタンスですので、社長の話では使っていないと言うことです。
確かに、子供がドイツやスイスにいる関係で、話を聞いたり、見たりした範囲では無いようですね。
日本の場合は、日本の政府(霞ヶ関)は、水俣病やHIV、アスベスト等と、企業や業界団体との癒着、天下りと、自分たちの保身や甘い汁のことしか、考えていないため、被害者が多く発生するまで使い続けてきたのが歴史が証明しています。
ユーザーはもちろん、多くの設計者、ハウスメーカー、建築業者、工務店、業界紙、住宅雑誌等々と、呼吸する建材、健康建材として、選択し、使用を勧めてきています。
そこには、霞ヶ関と業界団体はすでに、団体を造り天下りとして、迎入れているかもしれませんね。
自分たちの利益のためには、薬害などのように、担当官庁と製薬会社が結託していると言うこともある国ですから、信用できませんね。
 そんな中で、珪藻土を使わないことにしたという、左官壁製造メーカーの社長の勇気ある英断をし、電話をしてきてくれたことに、自らから勇気ある行動をされたことに感激を致しました。
 すでに、ゼオライトと炭に変更した、塗り壁材を開発して商品化しております。
機能も、消臭、調湿、空気浄化が確認されており、固化剤も無機固化剤が使用されているので、化学物質ゼロで安心です。

 

珪藻土は、以前から、労働安全衛生法からは、アスベストと同じように、じん肺の問題が指摘されており、粉体での流通は、左官職人に対しての健康問題が有り、また、珪藻土を固める固化剤については、セメント系、樹脂系、しっくい系、無機固化剤系、粘土などといろいろなものり、特にセメント系固化剤は、もともと、珪藻土の塗り厚が、2〜3ミリ程度なのと、セメントはアルカリ系なので、経年とともに、中性化が進んで行きます。中性化が進んだ場合、固化力が弱くなってきて、部屋の空気中に珪藻土の粉体がホコリとして舞い、生活者の肺に入ることも懸念されておりました。(下線は引用者)

 

いまだに、珪藻土の塗り壁材の営業手法としては、サンプルに、霧吹きで水を掛け、調湿能力を説き、バーナーで、火を掛け、断熱性と耐火性を自慢し、そして、珪藻土の含有割合を説明して、いかに健康な建材なのかを説明しますが、これからは、どの程度の温度で焼成して、材料には何パーセントの割合で含有しているのかなど、ホワイト系の結晶化シリカのことなども説明が必要になるのでは・・?と思います。

 

日本は、地震の被害も多い国ですが、被災地に行って驚くのは、学校の校庭や市のグラウンドにうずたかく積まれた、家の解体材の山です。
日本特有のビニールクロス建材が多いのは変化がないのでしょうが、珪藻土の建材も多くなると、アスベストのように大気中への飛散も問題になる日が来るかもしれません。

 

やはり、建材の選択は、難しいですね。
設計者や施工者はもちろん、ユーザーも、選択の自己責任があるのですから、しっかりと勉強し、いろいろな角度から見て検討し、メリット、デメリットを納得の上で、使っていく必要があります。

 

さらに、こちらもどうぞ・・。
参考、「本当に珪藻土は安全なのか」

<途中略>
珪藻土は、植物の「藻」が、永い期間堆積して出来た土ということはよく知られていますが、この土の中には、微生物がおり、約1000℃前後で焼成し不純有機物を焼却除去する工程が必要です。この工程によって、白い色になります。
又、高い温度で焼くことにより、一個一個の珪藻土の藻がガラス質の鋭利なホコリに成り、肺にはいると、アスベストのように、肺種を発生させる危険性があるのです。
<途中略>
経年変化で恐いのは、経年劣化により、壁に塗られた「珪藻土」などの仕上げ材からのパウダーの発生です。
一般の方は、大変厚く塗り込むと思っている方が多いのですが、実際にはどの種類の仕上げ材も2〜3o程度の薄塗りなのです。
前にも記載したように硬化剤が重要なのは、この経年劣化がたいへん大事なのです。

 

私達は、生活する上で、二酸化炭素を放出して生活していますが、硬化剤にセメント系硬化剤を使用している珪藻土製品は、長い間に表面からセメントの中性化が発生し、これが発生すると結合力がなくなった部分の珪藻土は空気中に微細なパウダーとして漂い、そこで生活する家族の肺に吸い込まれてしまいます。
又、化学樹脂を硬化剤として使用している場合は、調湿性に優れると言うことは水分によって膨張収縮を繰り返すことにより、硬化剤に弾性疲労が起こり、ある時、珪藻土のパウダーが室内空気中に放出されるときが来るのです。

 

実は、珪藻土は、アスベストと同じように、肺に大量に吸入されると肺種や珪藻土肺(珪藻土、含水コロイド珪酸)を起こすとされ、労働安全衛生法では、アスベスト同じくらい危険な物質とされているのです。
じん肺は一度起こってしまうと元には戻りません。
<以下略>

 

さらに、さらに・・
「珪藻土と漆喰」にも詳しく珪藻土の問題点が述べられています。
あるいは、 『建材ダイジェスト』も参考になります。

 

塗り壁材としては、私は自信を持って「サンゴ化石」を原料にした「輝・キララ」をお勧めします!