私の風呂場での定番ソングのひとつに「人を恋うる歌」がありますが、五番の歌詞の意味が調べてみてももどうしても分かりませんでした・・。
そこで、ふと思いついて「Quora」で質問してみると・・1時間も掛からないうちに回答が!しかも実名で・・。
これで、全ての歌詞を納得しながら”高歌放吟!”できます。
宮澤さん、ありがとうございました!
【人を恋うる歌】
詞 与謝野鉄幹
曲 日本伝統曲
(三十年八月京城に於て作る)
一)妻をめとらば才たけて
みめ麗しく情けあり
友を選ばば書を読みて
六部の侠気四部の熱
二)恋の命をたずぬれば
名を惜しむかな男ゆえ
友のなさけをたずぬれば
義のあるところ火をも踏む
三)汲めや美酒うたひめに
乙女のしらぬ意気地あり
簿記の筆とる若者に
まことの男君は見る
四)ああ我ダンテの奇才なく
バイロン、ハイネの熱なきも
石を抱きて野にうたう
芭蕉のさびをよろこばず
五)人やわらわん業平が
小野の山ざと雪をわけ
夢かと泣きて歯がみせし
むかしを慕うむら心
六)わが歌声の高ければ
酒に狂うと人の言う
われに過ぎたる望みをば
君ならではた誰か知る
七)見よ西北(にしきた)にバルガンの
それにも似たる國のさま
あやふからずや雲裂けて
天火(てんくわ)ひとたび降(ふ)らん時
八)妻子(つまこ)をわすれ家をすて
義のため耻(はじ)をしのぶとや
遠くのがれて腕(うで)を摩す
ガリバルヂイや今いかん
九)玉をかざれる大官(たいくわん)は
みな北道(ほくどう)の訛音(なまり)あり
慷慨(かうがい)よく飲む三南(さんなん)の
健兒(けんじ)は散じて影もなし
十)四たび玄海の浪をこえ
韓(から)のみやこに來てみれば
秋の日かなし王城や
むかしにかはる雲の色
十一)あゝわれ如何にふところの
劍(つるぎ)は鳴(なり)をしのぶとも
むせぶ涙を手にうけて
かなしき歌の無からんや
十二)わが歌ごゑの高ければ
酒に狂ふと人は云へ
われに過ぎたる希望(のぞみ)をば
君ならではた誰か知る
十三)「あやまらずやは眞ごころを
君が詩いたくあらはなる
むねんなるかな燃(も)ゆる血の
價すくなきすゑの世や
十四) おのづからなる天地(あめつち)を
戀ふるなさけは洩すとも
人を罵り世をいかる
はげしき歌を秘めよかし
十五)口をひらけば嫉みあり
筆をにぎれば譏りあり
友を諌めに泣かせても
猶ゆくべきや絞首臺(かうしゆだい)
十六)おなじ憂ひの世にすめば
千里のそらも一つ家
おのが袂と云ふなかれ
やがて二人(ふたり)のなみだぞや」
十七)はるばる寄せしますらをの
うれしき文(ふみ)を袖にして
けふ北漢の山のうへ
駒たてて見る日の出づる方(かた)
Quoraでの宮澤さんの「回答」
【与謝野鉄幹「人を恋うる歌」5番(あるいは6番)にある「在原」は「在原業平」を指しており、文意は以下の和歌に取材し翻案したもののようです。
忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見むとは
頼りにしていた上司(主)が、自分の知らないところで出家(≒立身出世のコースから脱落)し、苦労して会いに行ったけれど空しく終わった、ことを嘆く和歌です。
伊勢物語『忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見むとは』わかりやすい現代語訳・解説と品詞分解
この和歌は「古今和歌集」(第970番)や「伊勢物語」(第83段)に収録されています。前者では在原業平の歌であることが明示され、後者では明示されませんが登場人物が在原業平に仮託されていることを同時代の読者らはコンテクスト(教養的な意味での文脈)として予め了解していました。
以上です。】
福原一笛さんからの紹介が下記です。
「現実的に、こちらは冬季間降雪量の多いところです。」