「50歳からは炭水化物をやめなさい」藤田紘一郎 著 (大和書房)の備忘録
また、WISDOMも参照してください。
2018年10月、50代なら「太ってなくても糖質制限」というのも有りました。「何故”糖質制限”が必要か!」が良く理解できます。
【備忘録】
人体のエネルギー生成系には「解糖エンジン」と「ミトコンドリアエンジン」の2種類がある。
50歳前後にメインとなるエネルギー生成系が切り換わるため、エネルギーの摂取方法を変えなければならない。
50歳を過ぎたら主食を取らなくても良い。
取りすぎると、ミトコンドリアエンジンに切り替われなくて、解糖エンジンに邪魔をされて、取り込んだ大量の酸素が「活性酸素」に代わってしまう。
全ての細胞を酸化させ傷つけて細胞に致命傷を負わせそこから病気となる細胞を作り出してしまう。
今、日本人の健康を害する四大疾病は「がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病」。そのいずれにも活性酸素が関係している。
私たちの体内では日々3千から4千個のがん細胞が出現しているが、免疫システムがこれらのがん細胞を見張って攻撃し、増殖してがん細胞となるのを防いでいる。
50歳からのがん予防には、第一に糖質の豊富な食品を控え、「解糖エンジン」の働きを抑える必要がある。
活性酸素はその強力な酸化力で体内に侵入した敵をやっつける免疫システムの一つだが、その強力な酸化力は敵だけでなく、自らの細胞も傷つけてしまう。
善玉コレストロールは体内に溜まったコレストロールを排除し、動脈硬化を防ぐ。
悪玉コレストロールは逆にコレストロールを体内に供給する役割があるが、悪玉コレストロールや中性脂肪そのものが、ただちに動脈硬化を起こすわけではない。両者は体にとって重要な働きを担っている。活性酸素と結びつくことによってはじめて過酸化脂質へと変性し血管を傷つけたり、ボロボロにしてしまうのである。
五穀米や玄米など全粒穀物は食物繊維が豊富であり、血糖値をいっきに上げる心配が無い。食物繊維のおかげで糖質の吸収がおだやかになるためである。
50歳を過ぎて大切なのは「解糖エンジン」を瞬間的に働かせるような白く精製された白米、パン、うどんなどの糖質は避ける必要がある。
認知症の原因はさまざまだが、患者数の多いのはアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症。アルツハイマーは、脳の細胞が変性して起こる。近年の研究により、脳内に溜まった活性酸素が、アルツハイマーを起こすことが分かってきた。
また、脳血管性認知症は、脳卒中などの脳の血管に障害が起こりそれが原因で発症する。
つまり、認知症を予防するには体内から放出される活性酸素の量を増やさないことが必要であり、そのためには「ミトコンドリアエンジン」が順調にうごけるように主食となる白い精白食品などの糖質の摂取を極力控えることが必要。
では、50歳を過ぎたのち、脳は何を栄養にして働くのか?脳の細胞にも当然ミトコンドリアがある。従って脳の細胞もミトコンドリア系によって生成されたエネルギーを使って活動するようになる。すなわち脳にとっても酸素こそが不可欠なのです。
人間の染色体の末端には「テロメア」と呼ばれる構造体が鞘のように覆いかぶさっている。染色体がバラバラにほどけて不安定化が起こらないよう、テロメアが守っている。
テロメアは染色体の末端にあることから「末端小粒」とも呼ばれる。
実はこのテロメアの長さが人の寿命を決定づけている。
人間のテロメアは誕生時には約一万塩基対あるが、成長するに伴い年平均50塩基対ずつ短くなってゆく。これが約5000塩基対にまで短縮すると、細胞の寿命が尽きる。すなわちそれは「死」を意味する。単純に計算すれば100年の寿命となるが、日々の生活習慣でテロメアをどんどん短くしてしまうので寿命をまっとうできる人は限られる。
テロメアを慈しむように大事に生活してゆけば人間の健康寿命は125歳まで延ばせることが分かってきた。
では、テロメアの短縮をうながすものとは何か?
第一は細胞分裂である。我々の体は細胞分裂を繰り返しながら生命を維持している。細胞は病気によって死滅した細胞を補う時に分裂を速めるが、その分裂のたびにテロメアは細胞の末端から消えてゆく。テロメアを短縮から守るのは、病気をしないような生活習慣が大切である。
もう一つテロメア短縮のスピードを確実に速めるのは活性酸素である。
テロメアを形成しているのは、DNAとタンパク質である。そのテロメアのDNAを分解し、壊してしまうのが活性酸素である。細胞が活性酸素を大量に浴びると、そのたびにテロメアは壊され、長さが短くなってゆく。体内の活性酸素を増やすことは、寿命を短くすることに直結する。
一度減ってしまったテロメアは、二度と延ばすことはできない。
以下省略