(株)キョーリン

2013年度の新設住宅着工戸数は98万7,254戸と前期比10.6%で4期連続の回復。アベノミクスによる株高や消費増税前の駆け込み需要に支えられ、着工棟数はリーマンショック直前の水準に近い100万戸近辺まで持ち直した。
だが、増税前の駆け込み反動減が響いて14年度の着工棟数は反落となる見通し。15年10月に予定される10%への消費税再引き上げ実施の判断を見極めたいとの様子見気分が強く、14年度に入っても戸建て各社の受注回復ペースは鈍い。

駆け込み需要が消え、直近は受注が低迷している。
戸建注文住宅の受注は、2013年4月には日銀の異次元金融緩和の表明を受け急増。その後も、消費税を前に、従来の5%税率が適用される9月までに駆け込み需要が起こった。ただ13年10月以降は急ブレーキがかかり、反動減が想定以上に長引いている。

全住宅販売戸数

大手の事業別売上構成
【積水ハウス】

【大和ハウス】

もうけの仕組み
戸建て住宅メーカーの収益構造−プレハブメーカーのケース−
売上＝営業人員×一人当たり販売率×一戸当たり単価
原価＝「材料費」・・鉄、木材、パネルなど工場製造部材、設備機器など
　　　　　 「外注費」・・施工を行う協力工務店への支払いなど
　　　　　 「諸経費」・・給与手当、構造計算や確認申請費用、原価償却費など
販売管理費＝「従業員給与手当」や「退職給付費用」「福利費」「広告宣伝費」(イベント、チラシ、テレビCMなど）、その他「研究開発費」や「原価償却費」も
営業利益＝プレハブメーカー各社は、環境配慮製品、相続対策商品などの開発・投入で、需要の掘り起しを図る。また、調達や設計の合理化、物流見直しなどで原価抑制にも取り組む。営業マンの教育・育成や効果的な広告宣伝なども業績底上げのカギを握る。